こんにちは。こっつん(@naga516)です。
2017年10月下旬に購入した、FUJIFILM『X100F』。気付けば早くも手に入れてから2ヶ月近くが経過していました。
元々、FUJIFILMの『X-Pro2』というカメラへの興味はあったのですが、自分の用途にはサイズが大きすぎる点や、そもそも今まで使用してきた『Nikon1 j5』に不満がなかった事から、ここしばらく「新しいカメラが買いたい!」という欲求はありませんでした。
にも関わらず、衝動買いと言ってもいい位の勢いでFUJIFILMの『X100F』を購入してしまった訳ですから、このカメラに対する私の惚れ具合がいかほどか・・・、お分かり頂けるかと思います。
今回は、カメラを買う気など全くなかった私が、急に『X100F』購入の衝動を抑えられなくなったきっかけから、これまでの使用感などをレビューしたいと思います。
皆さんの心の何処かに1%でも「カメラ欲しいな」という気持ちがあるのなら、これを読んで頂いて『X100F』を購入候補に入れて頂ければ幸いです。
きっかけは、偶然に訪れたブログから・・・。
事の始まりは、京都のホテル『ザ・リッツ・カールトン京都』について調べていた時に偶然見つけた ”とあるブログ” と出会ったことでした。(なぜ、ザ・リッツ・カールトン京都を調べていたのかは記憶が定かではありません笑。冗談ではなく。)
その ”とあるブログ” =『45House』さんの記事「京都『ザ・リッツ・カールトン』でアフタヌーンティーを堪能」に使われていた写真の1枚1枚に、心をグッと惹かれたんです。
ポートレートから風景、アフタヌーンティーのFOOD・DRINKの数々・・・、すべてが「こんな雰囲気の写真を自分でも撮れたらいいのになぁ」と思わされるものでした。
居ても立っても居られず、使用カメラについて書かれていないか『45House』さんの記事を探したところ、出てきたのがFUJIFILM『X100F』だったという訳です。
デザインが秀逸。コンパクトで美しい『X100F』。
たとえ自分の理想に近い写真が撮れるカメラであったとしても、それが大きくて重いカメラだったとしたら、残念ながら私の用途には合わないので購入することはなかったでしょう。
以前『Nikon1 j5』について書いた記事でも触れましたが、私が求めているのは「常に持ち歩けるサイズ・重さ」のカメラです。
元々はミドルサイズの一眼レフカメラ(Nikon D7000)を使っていたのですが、散歩や買い物の度に持ち歩くには一眼レフカメラではあまりにも大き過ぎます。本体がコンパクトなミラーレス一眼カメラであっても、レンズが大きくなってしまっては本末転倒です。
『X100F』は、これまで使ってきた『Nikon1 j5』と比較すると大きくなってしまいますが、それでも十分コンパクト。今使っているショルダーバッグ(『Nikon1 j5』を入れていたもの)にも問題なく収まります。
感覚的には「少しだけ大きくなったかな」といった程度です。
そして『X100F』購入の決め手になったのが、その外観の美しさ。
昔のフィルムカメラを彷彿とさせる『X100F』は、ただ眺めているだけでも心が躍ります。
(別売りのレンズフードを付けた状態。Nikon1 j5で撮影。)
この『X100F』のフォルムを見て、「そういえば父親(や祖父)が持っていたカメラが、こんな感じだったなぁ」なんて懐かしい記憶が蘇ってきた人もいるのではないでしょうか。
若い人には、このレトロ感がむしろ新鮮に感じられるかも知れませんね。
街中で大きなカメラを肩や首から下げて歩くのに抵抗感がある人でも、『X100F』ならコンパクトですし何より美しいので、むしろ積極的に持ち歩きたくなる・・・。そんなカメラだと思います。
やや男性的なデザインではありますが、カメラ女子にもきっと似合うはず。こんなカメラを首から下げている女性がいたら、気になって振り返る人がたくさんいるのでは笑。
あと、私が購入したシルバーの他に『ブラック』もあります。ブラックの方も、シルバーと甲乙付け難い美しさ・存在感がありますので、シルバーが好みでない人やブラック好きの人には、是非ブラックも見て頂きたい。
私は購入直前まで、どちらの色にしようかと吐きそうになるまで悩みました。
FUJIFILMの『X100F』公式動画(YouTube)がよく出来ているので、是非1度見てください。
フィルムシミュレーションで味のある写真が撮れる。
FUJIFILMのデジカメXシリーズ最大の特徴、それがフィルムシミュレーションというフィルムライクな描写が楽しめる機能。
フィルムメーカーとして長年に渡り数々のフィルムを作り続けてきたFUJIFILMの「フィルムシミュレーション」ですから、他社とは説得力が違います。
独特な世界観を生み出すモノクロ「ACROS」、色鮮やかで風景写真とも相性が良い「Velvia」、見た目通りに近い再現性のある「PROVIA」などなど。
フィルム時代に少しでもカメラをかじったことがある人なら、これらのフィルム名を聞いたことがあるのではないでしょうか。
フィルム時代はフィルム1本使い切らないと別のフィルムを使うことが出来ませんでしたが、デジタル時代はいいですね。
気分ひとつで1枚ごとにフィルムシミュレーションを切り替えることが出来ますし、「フィルムシミュレーションブラケティング」という機能をONにすれば、1回シャッターを切った際に3種類のフィルムシミュレーションが適用された写真を保存することが出来ます。
人気の「クラシッククローム」で撮ると、赤を基調としたお店の外観もどことなく渋い印象に。
同じく「クラシッククローム」。
ただの栗なんですけどね、哀愁漂っているような気になるのはなぜなのか。
近所のショッピングモール「BIGHOP」で見つけたなんちゃって壁画も、「ACROS」で撮ると”それっぽく”見えてくるから面白い。
写真を趣味にしている人の多くは、RAW現像や画像補正を行っているかと思います。
私も『Nikon1 j5』で撮った写真をブログに載せる時には、多少の調整(加工)を行なっています。けど、この作業って結構面倒なんですよね。時間を取られますし。
別に写真コンテストに応募するわけではないので、撮った後の写真の加工なんて出来ればやりたくないんです。ただ、例えばNikonのカメラで撮った写真の場合、良くも悪くも「被写体本来の色がそのまま」出てくるので、見栄えを良くしようと思うと多少の加工が必要だったんです。
それが『X100F』で撮るようになってからは、撮った後の写真の加工をほとんど行わなくなりました。
フィルムシミュレーションや『X100F』の持つカメラとしてのポテンシャルの高さゆえに「加工する必要がなくなった」ということもありますが、それに加えてこのカメラで撮っていると一発勝負へのこだわりみたいなものが芽生えてきて、「もう加工はしなくていいかな」という気持ちにさせられるんですよね。
これも『X100F』の持つ不思議な魅力の一つです。
ファインダー(OVF,EVF,そしてERF)撮影が楽しい。
『X100F』に搭載されているファインダーは、大変特徴的です。
私は「背面液晶モニタが付いているのだから、ファインダーは無くてもいいんじゃないだろうか」なんて思っていたのですが、『X100F』でファインダーを通しての撮影を行なってみて考えが一変しました。
「やっぱり、ファインダーを覗いて写真を撮るのは楽しい!」
『X100F』には2+1のファインダーが搭載されています。
- OVF(光学ビューファインダー)
- EVF(エレクトロニックビューファインダー)
- ERF(エレクトロニックレンジファインダー)
OVFというのは、ファインダーのガラス越しにそのまま被写体を見られるものです。乱暴に言ってしまうと、一眼レフと同じようなものです。
EVFはミラーレスなど一般的なデジカメに搭載されているファインダーで、ファインダー内のディスプレイにレンズを通した画像が映し出されます。背面液晶モニタに映されるものと同じですね。背面液晶モニタで見るか、ファインダーを覗いて見るかという違いだけ。
ERFは基本OVFと一緒なんですが、ファインダー右下にEVFの画像が表示されるという良いとこ取りの機能です。
OVFを気に入ってしまった私は、もっぱらこのERFで撮影しています。レンズフードを装着するとファインダー右下がレンズフードと被ってしまうのですが、ERFを使っていればレンズフードの被りが気にならなくところが嬉しい。
尚、「何言ってるのか良く分からない」という人は、こちらをご覧ください。
http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x100f/features/page_02.html
アナログなダイヤル類が使いやすい!
冒頭で「FUJIFILMのX-Pro2に興味があった」と書きましたが、『X-Pro2』に興味を抱いた理由がこれです。FUJIFILMのXシリーズは各種設定用の物理ダイヤルが備わっていて、とても使い易そうだったんです。
iPhoneが良い例ですが、最近のデジタルガジェットはとにかく「物理ダイヤル・ボタン類は排除する」方向になっていて、実際その方が使い勝手も良くなることの方が多いのですが、ことカメラに関してはそうとは言えないところがあります。
とにかく写真を撮る時って、設定をゴチャゴチャ変えますからね。私のような適当に撮るタイプですら頻繁に設定をイジっている訳ですから、カメラにおける「設定変更のし易さ」はかなり重要です。
で、これですよ。
右側のー3〜+3の目盛りが切ってあるダイヤルは露出補正用のものです。明るさ調整ですね。これ、頻繁に使うので物理ダイヤルだと非常に便利です。
中央の大きなダイヤルは、シャッタースピードとISO感度用です。私の場合、普段はどちらもオート(Aに合わせておく)で使用していますが、イマイチ思った通りの写真にならない時はシャッタースピードとISO感度も自分で変えるので、やっぱり物理ダイヤルになっていると楽です。
一眼レフでもシャッタースピード、ISO感度の物理ダイヤルがこんな形で付いているものは多くありません。
背面液晶モニタを見ながら変更するとなると、ついつい「面倒だからもういいや」と手を抜いてしまいがちになりますからね。
絞り用のダイヤルはレンズの根元に付いています。普通のカメラレンズと一緒です。
ちょっと根元に近すぎて、最初のうちは操作がしづらく感じましたがすぐに慣れました。
絞りの設定は、これまでご紹介した各種設定の中でも一番頻繁に変更する部分なので、物理ダイヤルになっていると本当に便利です。
レンズは単焦点(35mm換算で35mm)開放F値2。
恐らく、皆さんが「X100F良いんじゃないの?欲しいわ」となった時に、その購買意欲に「待った!」をかけるであろう1番の要因。それは『X100F』がレンズ固定式カメラで、さらに単焦点レンズを搭載している点だと思います。
今やレンズ交換ができないカメラは完全にスマホに喰われちゃっていて、絶滅危惧種ですからね。ましてや『X100F』に採用されているのは単焦点レンズ。要するにズームしません。
もしあなたが望遠で撮影する機会が多い人であれば、『X100F』との相性は”かなり悪い”と言わざるを得ません。
ただ、近寄れば済むだけなのにズームを多用しているというのであれば、これは慣れの問題なので『X100F』の単焦点レンズでも大丈夫だと思います。
『X100F』のレンズは贔屓目なしに写りはかなりイイです。一般的な話になりますが、単焦点レンズはズームレンズに比べると写りがとてもイイ。
同じ写り具合をズームレンズに求めるとなると、大抵の場合はレンズがやたら大きくなってしまいますし、さらにお値段がバカ高くなります。
綺麗な写真、インスタ映えするような写真が撮りたかったら、『X100F』に搭載されているような単焦点レンズの方が、ズームレンズよりも断然オススメです。
私はレンズ交換ができるカメラも好きなんですが、正直言うと最近はレンズ交換が手間だと感じるようになってきました。
自分の撮影スタイルを分析してみると、そこそこ広角で撮れる単焦点レンズがあればそれでほとんどの写真は賄えちゃうんです。望遠の必要性を感じる機会がほとんどないんですよね。
皆さんも本当にズーム(望遠)必要ですか?
一応、コンバージョンレンズが用意されています。
『X100F』はレンス固定式のカメラですが、焦点距離を変えられるコンバージョンレンズが2種類用意されています。レンズそのものを交換するのではなくアタッチメントとして装着するものなのですが、開放F値はそのままというところが素晴らしい。
このコンバージョンレンズですが、一つは換算28mmになるワイドコンバージョンレンズ、もう一つは換算50mmになるテレコンバージョンレンズとなっています。
私の場合、テレコンの方は要らないのですが、しばしば「もうちょっと広角(ワイド)が欲しい」と思うことがあるので、ワイドコンバージョンレンズの購入を検討中です。
(もっと広角のレンズ固定式デジカメがないかと探していたら、『LeicaQ』という物凄いカメラを見つけてしまいました。これもかなり良さそうなのでオススメ。私も次回は『LeicaQ』を狙います笑。)
コンバージョンレンズも約3万円くらいするので決して安くはないですけど、カメラの交換レンズってもっと高いですからね。
コンバージョンレンズなら2つ共揃えたとしても約6万円。
あれもこれもと、余計なレンズが欲しくならない(レンズ交換できないので)のも、レンズ固定式である『X100F』の良いところだと思います。
『X100F』に欲しかったもの。
私が感じている「この機能があれば『X100F』は更に良いカメラになるのに」という点に触れておきます。すなわち、ここに書いた機能は『X100F』にはありません。
ただ、ここに書いた機能を搭載することで今の『X100F』の良さが犠牲になってしまうのであれば、どれも別に無くてもいいと思える程度のものです。
背面液晶モニタのチルト機構
『X100F』の背面液晶モニタは固定式です。
今はチルトだったりバリアングルだったりする液晶モニタが主流ですから『X100F』も何とか導入してもらいたいところです。
個人的には地面スレスレから構えた写真を撮るのが好きなので、チルト機構があれば楽でいいのになぁ、と思っています。
手ぶれ補正
ないんですよ、手ぶれ補正が。
ISO感度を調整すれば、手ぶれ写真になってしまうことはほとんどないのですが、手ぶれ補正機能があればもっと良くなるのは間違いありません。
防塵防滴
コンパクトで持ち歩きやすいということは、大げさに言うと「急な雨や砂塵に見舞われる」といった過酷な状況に遭遇しやすいことでもあります。
余計な心配をしなくてもいいように、防塵防滴になってくれるとありがたいですね。
総括
ここまで触れていませんでしたが、センサーサイズは「APS-C」、有効画素数は約2,430万画素と普通の一眼レフ・ミラーレス機に使われるのと同じです。(高級機には、更に大きなセンサーが使われていますが。)
せっかく良いカメラを買ってもたまにしか持ち出さないのでは勿体無いので、例えば「インスタ用にいいカメラが欲しいなぁ」なんて考えている人がいたら、『X100F』を候補にしてもいいのではないでしょうか。
見た目も撮れる写真にも華がある、それが『X100F』だと思います(褒めすぎ?)。
10万円を超えてくるのでちょっと勇気のいるお値段かも知れませんが、買って良かったと思うことはあっても後悔することはないはずです。
『X100F』お仲間募集中!
(^ ^)ではでは(^ ^)
〜 追伸 〜
運動会で使えればそれでいい、という人には一眼レフと望遠レンズの組み合わせをオススメします。
私も運動会では一眼レフ(D7000)と望遠レンズ(AF-S NIKKOR 70-300mm 1:4.5-5.6G VR)を使っていますが、動きのある被写体を望遠で撮影する場合には、一眼レフでファインダーを覗きながらという方法が圧倒的に使いやすいです。
上に挙げたレンズは6-7万円しますが、カメラ本体はニコンの廉価版一眼レフでも十分でしょう。
尚、音楽会や各種発表会など、動きのあまりない室内撮影にはミラーレス一眼の方が宜しいかと思います。一眼レフはシャッター音が「バシャバシャ」とうるさいので、音楽会のような場には不向きです。
けど、音楽会ならそもそも写真ではなく動画(ビデオカメラ)ですかね。
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