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奈良漬に魅せられて、夏【新六本店・取手】

私は漬物の類をあまり好んで食べる方ではないのですが、ふと何かで「取手においしい奈良漬の老舗がある」との情報を見かけて、「取手なら近いしドライブがてらに」と訪れてみることにしました。

漬物は・・・と申しましたが、成田山参道の駿河屋さん(鰻屋さん)で出てくる奈良漬は結構好きなので、漬物を避けてきた私でも「評判の良い奈良漬ならツボにハマるかも」と淡い好奇心が芽生えてきた次第です。

結果、ツボにハマりました。奈良漬LOVE。

 

創業百五十年の奈良漬製造元『新六本店』

歴史がある=長いこと愛され続けてきた=おいしい。
幸楽苑の昭和二十九年創業は眉唾物ですが、新六本店の創業百五十年は蔵の立派さなどを見る限り、その歴史に偽りはないものと思います。

 

店舗の裏(隣接)に佇む蔵。HPをみたところ大正5年に造られたもので、約百年の歴史のある建物とのことです。
が、しかしてっきり現役として奈良漬が貯蔵されているものと思いきや、レンタルスペースになっていました。

私は特に借りて何かしたいといったプランを持ち合わせていませんが、HPの写真を見たら俄然借りてみたくなりました。
物好きな人、必見です。

店構えにも貫禄があっていいですよね。
奈良漬といえば、その名の通り奈良が発祥の地であり、イメージ的にも奈良や京都方面を思い浮かべますが、まさか茨城県の取手市に奈良漬の老舗があるとは思いませんでした。

まだ冒頭でも触れた千葉の成田山参道あたりなら、分からなくもないのですが。(実際、成田山参道でも奈良漬売ってますね。)

なんてことを考えていたら、新六本店のHPに答えがそのまま掲載されていたので、以下に引用させていただきます。

奈良漬といえば、誰もが奈良の奈良漬を思い浮かべることでしょう。

では、奈良から遠く離れた関東の取手の地で奈良漬が名産になったのは何故でしょう。その謎をひも解いてみましょう。 先ずは奈良漬のルーツをたどってみると、奈良時代、仏教の伝来とともにインドから瓜が奈良に伝来し、瓜の加工食品として粕漬(奈良漬)が製造されたのがそもそもの始まりです。そして、奈良漬は奈良に訪れる参詣者や旅人に食され名産品として行き渡るようになり、文字通り奈良漬の発祥の地名が品名の所縁になりました。 特に江戸時代、将軍徳川家康は奈良漬を大変好み、江戸屋敷まで奈良漬造りの匠を呼び寄せ召し抱え、四季を問わず香の物として食膳に欠かさず食したと言われています。そして、奈良漬は江戸庶民にも持てはやされ、原料の瓜や胡瓜、茄子なども栽培されるようになりました。

江戸・寛政年間、新六の祖先は造り酒屋を営み、酒つくりに精を出していたが、文政に至って利根川を行き交う高瀬舟の舟運の仕事に切り替え、「河岸の新六」として栄えていました。当時舟運業をしながら、自家製で粕漬けを作り近所に配ったところ美味しいと評判を呼びました。原料となる瓜や胡瓜の野菜が利根川水系に広く栽培され手に入り易く、また造り酒屋の技術を上手に生かし美味しい奈良漬を製造する元となりました。

明治元年、初代田中新六は舟運から鉄道の変化の流れを察知して、舟運の仕事をやめ、自家製で造っていた奈良漬を生業とした「新六の奈良漬」を創業し製造販売を始めました。 明治29年、常磐線が開通してから数年後取手駅では、脚絆巻きに赤帽子の新六専属の販売員がホームから列車の乗車客に「取手名産新六の奈良漬はいかが~」といって販売していた懐かしい光景が戦前まで続き、「取手に奈良漬あり」と知れ渡った由縁でもあります。 そしてその名も『創業明治元年、取手名産 新六の奈良漬』が今もなお、お客様から親しまれています。

新六本店HPより引用

別角度から見ても、やっぱり良いお店。

店内の様子もこちらの写真でなんとなくお分かりいただけるかと思いますが、高級感がありつつも敷居の高さを感じさせないものがあります。
全ての商品にはキチンと値札が付いていますので(当たり前かも知れませんが)、予算と相談しながらじっくり商品を選ぶことができます。

某日曜日のお昼頃に訪れたのですが、お客さんが他におらず写真を撮らせて欲しいと言い出せず、店内写真はありません。
ただ、新六本店さんのHPがかなりの充実ぶりでして、以下のHPを見れば店内の様子は十分だと思います。

奈良漬って、瓜以外にもあるんですね・・・

漬物を好んで食べる方ではないこともあり、知識がなくて恐縮ですが、奈良漬は瓜を漬けたもののみだと思っていました。
が、違うんですね。

新六本店さんの奈良漬は瓜だけでなく、胡瓜、茄子、生姜、はたまた梅や季節によっては蓮根(蓮根は、茨城県の土浦市が産地として有名ですね)なんてものまであるようです。
これでも全部ではなく、商品ページを見ると他にも色々あります。奈良漬のこと、全然知りませんでした。

 

今回は、奈良漬に関しては初心者なので、瓜、胡瓜、茄子の3点セットで容量控えめ375gのものを購入してみました。
税込1,890円です。
自分で食べる用なので簡易包装的なものを選びましたが、箱折や樽型の容器に入った商品も用意されています。

そして原材料と産地にご注目ください。
瓜、胡瓜、茄子はもちろん国産で、原材料に余計な添加物は含まれていません。当然、国内製造です。

信頼できます。

新六の奈良漬は、大利根水系に育まれた新鮮な瓜、胡瓜・茄子・生姜を素材に地酒から生まれた吟醸粕、味醂粕を用いて、木樽に漬け込み土蔵の中でゆっくりと息づかせ、丹精こめて造った漬物の逸品でございます。芳醇な風味、シャリっとした瑞々しい歯ごたえ、程よい甘さと爽やかな香りを楽しむことが出来ます。 
また新六の奈良漬は、国産原料を使用し食品添加物を含有しない、こだわりの製法により、全ての製品におきまして生貯蔵・生出荷の形で行なっております。美味しい漬物酵母が生きたまま、風味豊かな味わいをご賞味下さい。

新六本店HP

こちらの「奈良漬へのこだわり」とタイトルの付けられたページも必見です。

ちなみに商品は真空パックになっているので、そこそこ日持ちもします(2ヶ月くらい?)し運搬中に匂ってくることもありませんでした。

 

奈良漬(瓜)の一部をカットしてみました。黄金色で見た目だけでも美味しそうです。

味は、奈良漬初心者の私が言うのはおこがましいと思いつつ述べますと、芳醇な香りと味が最高です。歯ごたえも良し。
と書いていたら食べたくなってきたので、今一切れ口に含んだところです。笑
奈良漬ってこんなに酒粕の香りがモワッとくるものでしたっけ?堪らん。

他の奈良漬がどうだったか記憶が定かではありませんが、駿河屋さんで出てくる奈良漬よりも強烈な印象を受けました。

 

『生姜入り刻み奈良漬』も購入してみました

普通の奈良漬セット以外にも心を惹かれる商品がいくつもありまして、その中から『生姜入り刻み奈良漬』税込675円も購入してみました。

購入理由は、食べやすそうなところと、生姜の奈良漬も「推し」のように見えたので。

 

加工されている(刻んである)ので、多少は初心者向けにアレンジされているのかなどと勝手な想像をしていましたが、全然そんなことはなく、香りの立ちっぷりは上で紹介した通常の奈良漬となんら変わりありません。

調子に乗って、炊き立てご飯にそのまま大量投入したら、大変なことになると思います。

新六本店のHPに「奈良漬を使ったレシピ」のページも用意されており、その中に「クリームチーズと混ぜてクラッカーに乗せて食べる」というやり方が紹介されていたので、早速作ってみたのですがクリームチーズと混ぜてもなお芳醇な香りは衰え知らず。

クラッカーが手元になかったので、試しにえびせんべいに乗せてみたところ、これはさすがに相性悪し。
次に「ギンビスたべっ子どうぶつ(バター味)」に乗せてみたところ、こっちは相性抜群でしたので自信を持っておすすめします。

たべっ子どうぶつのサイズがちょうど良い(香りが強いので少量ずつが私は好き)のと、バター味との相性が良いので下手したら普通のクラッカーよりたべっ子どうぶつの方が良いかもしれません。食べ比べた訳ではありませんが。。。

 

総括

奈良漬が好きな人は言うまでもありませんが、自分に置き換えるとブルーチーズみたいな香りの強い発酵食品が好きな人であれば、新六本店の奈良漬ハマるかも知れません。

そんなにお高いものでもありませんので、ぜひお試し頂ければと思います。

 

駐車場もお店のすぐ隣にありますので、私のような千葉県民で常磐線を使いにくい人でも問題ないです。
ご覧の通り、日曜日のお昼頃でもガラガラでしたので、混雑することもほとんどないと思います。

ただ道が一方通行なので、出る際は進行方向にだけご注意を。

ちょっとまた一切れ食べたくなってきたので、この辺りでごきげんよう さようなら。

 

営業時間等については、新六本店の公式HP(以下)などからご確認ください。
この記事は、2023年9月時点の訪問時の情報に基づき、作成しています。