春が来た、春が来た、どこに来た。もう山にも里にも野にも来た?
なんて言っているうちに見逃してしまう恐れのあるため、今年(2017年)もシーズン前に我が街千葉県印西市にあります「吉高の大桜」をご紹介させて頂きます。
こちらの「吉高の大桜」、豊かな自然が自慢の千葉県印西市において「印西八景」の一つに選ばれていますので、その実力は折り紙付きです。以前は「知る人ぞ知る」穴場的なヤマザクラでしたが、最近は色々なところで紹介される機会も増えて「全国区の知名度」を獲得しつつあります。
ただ、少々分かりにくい場所にあること、また開花時期もソメイヨシノと違っていることもあり油断していると満開時期を見逃し易いため、私が実際に2015年・2016年と2年連続で足を運んだ実体験に基づいて、皆さんに「吉高の大桜」へのアクセス方法や開花時期の調べ方を以下でご案内します。(ちなみにここ10年は、ほぼ毎年見に行っています。)
満開になった「吉高の大桜」の勇姿!
各種の情報をご紹介する前に、まずは「吉高の大桜」の勇姿をご覧ください。
※2015年iPhoneにて撮影
※2016年 Nikon1 J5にて撮影
この「吉高の大桜」は、のどかな田園風景の中に忽然と姿を現します。
冒頭でも触れましたが、「吉高の大桜」はソメイヨシノではなく、ヤマザクラです。
そして、この大桜は一本桜です。一般的に「桜の名所」と呼ばれる場所は、ソメイヨシノの本数で圧倒するところがほとんどですが、「吉高の大桜」は一本桜であり、周囲を見渡しても桜の木はこの1本だけです。
こうして比較すると、一般的なソメイヨシノよりも「吉高の大桜」はかなり大きいことがお分かり頂ける事でしょう。ちなみにスペックは次の通りです。
- 樹齢:300年〜400年(推定)
- 高さ:約27m
- 枝ぶり(幅):東西24m、南北26m
- 幹の太さ:約6.7m
今回ご紹介した写真でも、ある程度は大きさを感じて頂けたかと思いますが、実物を目の前にすると写真以上に大きく感じられるはずです。
開花時期について
「吉高の大桜」の開花時期は、千葉県北西部(印西市)のソメイヨシノからおおよそ1週間程度遅れての開花となります。
当然ですが、ソメイヨシノも開花時期は地域によって異なりますので、もし遠方から来られる場合、皆さんの地域を基準に開花時期を予測するのは危険です(笑)。
しかし、そんな心配は無用ですのでご安心ください。素晴らしいことに、「印西市」では公式ウェブサイトで毎年「日々の開花状況」と「開花予想」をアナウンスしてくれています。
遅くともソメイヨシノが満開になる時期が訪れましたら、次の印西市公式ウェブサイトを毎日確認するようにしましょう!
また公式ウェブサイトに「過去5年間の満開日」も掲載されていますので引用させて頂きますが、とにかく満開日が非常に短いです。
年 | 満開日 |
---|---|
2016年(平成28年) | 4月9日〜11日(3日間) |
2015年(平成27年) | 4月7日〜10日(4日間) |
2014年(平成26年) | 4月8日〜11日(4日間) |
2013年(平成25年) | 4月3日〜4日(2日間) |
2012年(平成24年) | 4月14日〜17日(4日間) |
2011年(平成23年) | 4月14日〜16日(3日間) |
見頃は開花から2〜3日以内と言われていますので、開花情報は常にチェックしないとあっという間に見頃を過ぎてしまいます。
そしてヤマザクラは、ソメイヨシノと違って開花中に葉っぱも同時(むしろちょっと先)に出てくるので、見頃を外すとあっという間に葉桜になってしまうという特徴もあります。
アクセス方法
アクセス方法ですが、場所柄もあり通常は車になるかと思います。(駅が遠いです)
しかし、この「吉高の大桜」へ続く道は細いため、開花時期は通行制限(車両通行止め)がかかります。
最寄りの「印旛中央公園」の駐車場が無料開放されますので、ここから徒歩で現地へ向かうことになりますが、これがまた結構な距離があります。歩きやすい服装・足元で臨んだ方がいいでしょう。
印西市の公式ウェブサイトに「徒歩25分」と書かれていますが、実際そのくらい掛かります。足が不自由な方や、歩行に難のあるご年配の方にはかなり厳しい道のりです。もしご自身やお連れの方に歩くことが心配な方がいる場合は、事前に「果たして問題なく往復することが出来るのか」を十分検討した方が宜しいかと思います。
一応、公共交通機関を利用する方法もありますが、鉄道もバスも本数が多くない(っていうか少ない)ので事前に時刻表などで調べておいた方がいいです。最寄りバス停は「郵便局前」または「教習所前」です。「吉高の大桜」までは「郵便局前」からだと徒歩約30分、「教習所前」からだと徒歩約15分かかります。
上記のバス停へ通じる鉄道の駅は次の通りです。くどいですが鉄道もバスも本数が少ないことを予めご承知おきください。ただ、未確定情報ですが「吉高の桜まつり」開催日(日程は未定)には、「印旛日本医大」駅より無料送迎バスを運行予定とのことですので、公共交通機関を利用する予定の方はこまめに印西市ウェブサイトをチェックしておきましょう。
- JR成田線「小林駅」北口
- 北総線「印旛日本医大駅」
- 京成線「京成佐倉駅」
- 京成線「京成酒々井駅」
上の地図では、もしかすると「21分、1.6km」のルートが第1候補として挙がっているかも知れませんが、そのルートはかなりマニアックなので土地勘のない人にはオススメできません。ほとんどの人は「北総自動車学校」の前を通るルート「24分、1.9km」を使っていて、「吉高の大桜」目当て客で人の流れができていますので、初めての方はその流れに身を任せた方が迷わないで済みます。
国道464号線沿いは、ご覧のように歩道が整備されているのでお子様がいても大丈夫だと思います。ガードレールはないですが、ピーク時は渋滞しているので車が突っ込んでくるようなことはないと思われます。犬を連れている人も見かけますね。
国道464号線沿いをしばらく歩いてから左に折れると、普段は地元の人しか通らないような細い道になります。この時期は交通規制が行われているので、この道へ一般車が入ることはできません。但し、地元の方(近所の方)の車が通ることはありますので、車が来たら速やかに端へ避けましょう。
そもそも「吉高の大桜」は私有地にありますし、普段は生活道路として使われている細い道にこの時期だけ人が溢れます。地元の方々のご理解無くして「吉高の大桜」見物は成り立たないものとご理解ください。
オススメの時間帯など
さて、かなり田舎な場所にある「吉高の大桜」といえども、ピーク時、特に土日の昼間はかなりの人出となります。
人出が多くなると、普段は絶対に渋滞しない周辺道路が渋滞し、また駐車場から現地までの道も見物客が多くて歩きにくくなりますので、相応の覚悟が必要です。
もし、あなたが仕事をリタイアし、「毎日が休日」というセカンドライフを満喫されている諸先輩でおられましたら、なるべく平日に行かれることをオススメします。平日と土日では人出が全く異なりますので。
ただ、先述の通り、開花時期が短いので満開日が土日と重なってしまったら、それはもう仕方ないので混雑覚悟で突撃するしかありません。
あとは昼間よりも朝方の方が、当然ですが人は少ないです。
私の場合は、朝方に自転車で行くのがお気に入りのスタイルです。
自転車でしたら通行止めになっていませんので、現地に直接乗り付けることが出来て非常に楽チンです。(昼間は、歩行者が多いので自転車で行くのはやめましょう。ロードバイクに乗っている人を見かけますが、ご自身は大丈夫だと思っていても歩行者側から言わせてもらうと、結構無謀な乗り方をしているように見えますので自転車からは降りて欲しいですね。)
また、朝だと人が多くないので桜をじっくりと見ることも出来ますし、他の人をあまり気にすることなく写真を撮ったりする事が出来ます。
出店もあります
オススメは朝方と申し上げましたが、10時くらいから出店が出ていたりして、ちょっとしたお祭りのような賑わいです。お祭りの雰囲気が好きな人は、あえて人出の多い時間帯に行ったほうが楽しめるかも知れません。
その場でつきたてのお餅なんかも売っていました(ので食べました)。
可能であれば、朝方にゆっくり桜を見て、昼間に再度訪問してお祭り気分を味わうという両方取りがいいかも知れませんね。
「吉高の大桜を守る会」について
恥ずかしながら、私はこのあとご紹介する北総鉄道の発行する季刊誌「ほくそう ’17春」を読むまで、「吉高の大桜を守る会」について存じ上げませんでした。しかし改めてインターネットで検索しても、ほとんど情報が出てこないんですよ。こういう活動はもっと大々的に宣伝した方が良いと個人的には思っているのですが、なかなかそうもいかない事情があるのでしょうか。
「吉高の大桜を守る会」は15名ほどのメンバーで構成されていて、下草の刈り取りや肥料の散布、枝に付着した苔の除去などを中心に活動されているそうです。また印西市と連携して桜の前にウッドチップを敷設したり、2017年には市民ファンドの協力を得て周辺通路をリニューアルするなど、精力的な活動をされています。
私なんぞは、「吉高の大桜」の満開時期になると子連れで訪れてただ見るだけと専ら恩恵に預かるだけですが、花見客が増えたことによる根へのダメージや酸性雨の影響などによりだんだんと樹勢に衰えが見られるようになっていたそうです。樹齢300〜400年の古木といえども、何の対策もせずに現在の過酷な環境を乗り切れるほど甘くはないのでしょうね。
皆さんに「吉高の大桜を守るために、一人一人が貢献しよう!」なんて事を言うつもりはありませんが、毎年多くの花見客が「吉高の大桜」を楽しめるよう、蔭で努力されている方々がいらっしゃるということだけは是非知っておいて頂きたい、と思います。
「吉高の大桜を守る会」に関しては、北総鉄道が発行する季刊誌「ほくそう’17春」に詳しく書かれています。北総鉄道の各駅に冊子として置かれている他、以下のウェブサイトから直接閲覧することができますので、是非ご覧ください。
ま・と・め
2017年も、おそらく4月上旬から中旬の間の3日間ほどが「吉高の大桜」の見頃になるはずです。印西市のウェブサイトをこまめにチェックすれば見頃(満開時期)を外すことはありませんので、是非「吉高の大桜」の圧倒的な勇姿を目に焼き付けてください。
道端で見つけた面白い大根(毎年恒例でやっておられるようです)
ご参考「吉高の大桜」見物に持っていくと便利なもの
折りたたみ椅子
何せ片道25分の道のりですので、体力に自信のない方は途中で休憩できるよう「折りたたみ式の椅子」を持っていくと何かと便利です。現地や途中の出店などにもベンチがありますが、必ず座れるとは限りません。
また、この手の折りたたみ椅子は一つ持っておくと他でも応用が効くので、あると重宝します。
コンパクトであることはもちろんのこと、座面が高いので立ち上がる時も楽です。
先に紹介したものより軽量かつ安価です。
デジカメ
プロの撮影した絵葉書を購入するのもいいですが、やはり自分で撮影したものの方が愛着が湧くものです。当記事で紹介した写真はiPhoneもしくはNikon1 J5で撮影しています。
Nikon1 J5は、レンズ交換式のミラーレスカメラにしては値下がりしていて手に入れやすいので、入門機としても非常にオススメです。私は写真と撮るテクニックは皆無なので、少なくとも当記事内の写真と同等のものは撮れることを保証します(笑)。また軽くてコンパクトですから「吉高の大桜」のような遠い場所に持っていくのにも重宝します。
さらにコンパクトさを追求するなら、こちらのSONY RX100シリーズがオススメです。画質には定評のある逸品です。レンズ交換式ではないため、Nikon1 J5よりもさらに小さいです。
水筒
途中に出店はあるものの数は少なく、飲料の自動販売機もほとんどありません(あっても売り切れ)。この季節になると、日中は意外と気温が上がる場合があるので念のため飲み物を持参すると安心です。
これは真っ黒ですが、色違いで鮮やかなものも選べます。
双眼鏡
必須ではありませんが、あると「吉高の大桜」の細部まで見ることができます。また小鳥たちも寄ってきていますので、バードウォッチングも楽しいですよ。
(^ ^)ではでは(^ ^)